「官から民へ」は官を民が代行する時代を生んだ(保坂展人さん)

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小泉内閣の5年5カ月で繰り返し言われたのは、「改革」「民間に出来ることは民間に」「官から民へ」だった。だが、時には官邸・各省庁・裁判所とスポンサーを変えながら、「官の方針はこうです」と巧みに語りかける役割を担うのが「民」の広告産業だとしたら、「官から民へ」と渡っていったのは「官」のお面ではなかっただろうか。


昨年、入管法問題で「指紋・顔写真撮影システム」の実証化テストをわずか10万円で請け負っていたIT産業の問題を調査したが、本来なら法務省入管局の公務員が考案すべき法規範やシステムまで企業が提案の下地を作っている現実を目のあたりにした。「官」の権威を民間企業が使用して、人々の動向を監視したり、世論に働きかける。実は「規制改革・民間開放」というのは、新・既得権集団を生み出す一方で「官の権威を民に代行させる」システムではないのか。駐車違反の指定地域で活動しだした民間監視員に相当するような社会の変化が各方面で起きているような気がする。


このような社会にすごく危機感を感じます。